彼女、若くして結婚、若くして離婚、以来人と話すのが好きで水商売の世界に足を踏み入れ、スナックとかキャバクラとかで長いことやっていたみたいだ。
持ち前の明るさに、そうした世界でのキャリアが自然と人を和ませる術を身に付けさせた面もあったのだろう。
受身好きとは言ったけど、そういう意味では彼女のプレイ振りにも相手への気遣い、心配りが表れている。
彼女、この店では新人だけど、フウゾクの世界が初めてというわけではない。
2年ぐらいだけど、回春マッサージの店にいたこともあって、そのせいか背中から身体中サワサワじらすように触って性感を高める技術に長けていて、頼めばやってくれる。
「受身好きですけど、男の人の気持ちよさげな顔を見るの大好きですし、喘いだりヨガってくれたりすると嬉しくなっちゃいます」
そういえば彼女、これもサービス精神の現われか、この仕事を始めてからオモチャ屋さんに行ってバイブを買ってきたとか言っていたな。
そういうのがあると、お客さん喜ぶんじゃないかと。
でも、実際はバイブ使いたがるお客さんってそんなにいなくて、時々自分で使っちゃっているとか。
付け加えておけば彼女、書道が大好きで少し前まで書道教室に通っていたんだって。
小さい頃、書道やりたかったんだけど、兄弟が多くて家もたいへんだったろうから、とてもじゃないけど書道習いに行きたいなんて言い出せなかったみたいだよ。