
「こころあわせ」
優月(ゆづき)
キューピットにハートを射抜かれた!
何かメルヘンの世界に紛れ込んでしまったような気分だ。
それにこんなに明るくて可愛くて、礼儀正しくて喋りもハキハキしていて、
そばにいるだけで気持ちよくなってしまうような感じのいい娘、夢の中でもなければいるはずがない。
ましてやその娘と裸になって...。

束の間の逢瀬だったはずなのに、日が経つに連れ思いは募るばかり。
優月(ゆづき、35歳)さんの姿が脳裏に浮かぶ度、60歳過ぎていてよかったと反芻とため息の繰り返し。
青森出身の彼女、実家は農家で小さい頃から両親は田んぼ、それで家でおじいちゃんとおばあちゃんに相手をしてもらっていたらしい。
そのせいか年寄りには慣れていて、今も年配者・高齢者との方が接しやすいし好きだという。
結婚して青森に帰って、離婚して再び上京、そして4ヶ月ほど前からこの店に席を置くようになったんだけど、
経済的な理由からではない。
だから普通のデリヘルに入ろうとは思ってない。
いや実を言うと、彼女、結婚するずっと前から打ち込んでいた仕事がある。
約束なので具体的には何の仕事か書かないけれど、もう10年以上もやっていて名前を明かせばその世界でわかる人はわかるとのこと。
で彼女の申し出通り、とりあえずは雑文書きということにしておくけど、毎月かなりの量を書いていたのが、
震災後は書けなくなってしまって今はせいぜい月1本。
いろいろ感動的な話もあるんだけど、それはともかくとして...。
「高齢の方、ハグだけで満足してくれる方とか、EDの方もいます。性的なことより、望んでいるのはまず人と人の触れ合いですね。
もっとも80歳ぐらいの人で、こんなに激しくて大丈夫かなって人もいましたけど」
彼女、小学生の時には母親の持っていたレディコミを見つけてオナニーを覚えたと言ってました。
性的にだって理解があるんです。